―「お金の話を避けていた」40代夫婦が変われた理由―
「生活費は足りてるはず」なのに、不安が消えなかった
夫婦ふたりで月35万円。
決して少ない金額ではありませんでした。
けれど私たちは、いつも心のどこかで焦っていました。
親族の冠婚葬祭や帰省の交通費など、急な出費にいつも困っていたからです。
生活費は、ある分だけ使い切るのが当たり前。
気づけば「備えがないまま、日々を回している」状態でした。
「貯金はどっちかがしてるでしょ」と思っていた夫婦
私たちは40代夫婦。
長く一緒に暮らしているのに、お互いの収入をちゃんと把握していませんでした。
どちらかが貯金しているだろう──。
そんなふうに思い込んでいたけれど、実際は“ふたりともしていなかったのです。
夫は浪費家じゃない。でも…
夫は決して浪費家ではありません。
ただ、時計や服、バッグなどのブランド品が好きで、たまに大きな買い物をするタイプ。
一方の妻は、日々の生活費を「あるだけ使ってしまう」タイプ。
どちらも“贅沢してるつもり”はなかったのに、なぜかお金が残らない。
このままではまずいと感じた私たちは、ついに見直しを決意しました。
「お金が足りない」のではなかった
問題は、お金の“使い方”がバラバラだったこと。
だからこそ私たちは、「暮らし方」「考え方」「向き合い方」を整える3つのステップを実践しました。
【実録】月35万円→25万円に減らした3つのステップ
ステップ1:暮らし方を変えたら、暮らしの「余白」が生まれた(家賃15万 → 9.8万)
節約の中でも、いちばん大きくて、いちばん心に効いたのが“住まいの見直し”でした。
当時は、駅チカの新築50平米マンションに家賃15万円で暮らしていました。
便利で設備も整っていたけれど、なぜか心が疲れていたのです。
✔️ 面積を減らしたら、思考がクリアになった(50㎡ → 35㎡)
思い切って、住まいを50平米から35平米へダウンサイジング。
「狭くて不便になるかも」という不安はすぐに消え、
モノが減ったぶん、空間と心に“余白”が生まれました。
✔️「当たり前」を手放したら、思いがけず心が軽くなった
引っ越しにあたり、私たちは、
テレビ・テレビ台・ソファー・ドレッサーなど、「あって当然」と思っていた家具を一気に手放しました。
それらはすべてジモティーで必要な方に譲渡。
「誰かの暮らしで、もう一度使ってもらえるなら」と思うと、
不思議とあたたかい気持ちになれました。
✔️「使えるけど、要らないモノ」はメルカリへ
ブランドバッグ、昔のデジカメ、着なくなった服、使いかけのコスメ…。
家の中に溜まっていた“まだ使えるけど、もう自分には必要ないモノ”たちは、すべてメルカリへ。
合計で数十万円の臨時収入にもなり、
「ありがとう」と感謝しながら手放すことができました。
✔️ ミニマリストじゃない。でも、“ちょうどいい暮らし”に
私たちは、いわゆるミニマリストではありません。
でも、自分たちに本当に必要なモノだけに囲まれた生活は、
予想以上に心を満たしてくれました。
毎日が、ちょっとだけ軽く、ちょっとだけ気持ちいい。
その“ちょうどよさ”が、何より心地よかったのです。
✔️ 選んだのは「便利さ」より「ごきげんな環境」
駅からは少し遠くなったけれど、
その分、近くに大きな公園があり、日当たりのいい静かな部屋に出会えました。
朝、差し込む光で自然に目が覚めて、
休日はお弁当を持ってふたりで公園へ。
“日常の気持ちよさ”を大切にしたことで、
お金以上の“満足”が手に入りました。
👉 月5.2万円の家賃を削減。
でもそれ以上に、心の「ゆとり」と「整い」が手に入った実感があります。
ステップ2:お金に対する考え方を“2人の会話”にした
お互いの収入や貯金、これまであえて話してこなかったことを全部オープンにしました。
そのうえで、「何にお金を使いたい?」「何に使いたくない?」を言葉にして共有。
夫婦でお金の価値観をすり合わせたのは、結婚して初めてのことでした。
ステップ3:お金に対する向向き合いを感情で振り返る家計管理
家計簿には、数字だけでなく「満足した?」「後悔した?」のひとことメモも記録。
ブランド品の買い物でも、カフェ代でも、「気持ちよく使えたか?」で判断できるようになりました。
Before → After 比較
項目 | Before(月35万円) | After(月25万円) |
家賃 | 15万円 | 9.8万円 |
食費・外食 | 9万円 | 4.5万円 |
お互いの収入 | 不明 | 把握・共有 |
支出への満足度 | 60点(惰性あり) | 90点(納得感あり) |
不安は「お金が足りない」からじゃなかった
生活に困っていたわけじゃありません。
でも、“ちゃんと向き合ってこなかった”ことが、私たちの心を不安にさせていた。
今は──
・急な出費にも慌てず対応できる
・「なんでお金がないの?」と責め合うことがなくなった
・夫婦でお金の目線がそろったことで、日常が穏やかになった
節約は、「我慢」ではなく「会話」だった
お金の不安は、金額の問題ではなく、“価値観のすれ違い”の問題。
私たち40代夫婦は、ようやくそれに気づけました。
もし今、同じように感じているなら
「これって私たちかも」と少しでも感じたなら、
それはもう“変われる前兆”です。
お金の話をすることは、勇気のいること。
でもそれは、ふたりの未来を守るための大事な一歩なんです。
今日できる小さな一歩
- お互いの“1ヶ月の支出”を書き出してみる
- 「何にお金をかけたい?」「何を減らしたい?」を話してみる
その会話が、あなたたち夫婦の「これからの暮らし」を変えていきます。