はじめに
「暴落を待ってから投資すべきか? それとも今すぐ投資すべきか?」
投資家なら一度は悩むこのテーマを、5年後に暴落/10年後に暴落という2つのケースでシミュレーション。
待機資金は何年以内に暴落のような下落が発生したときに、メリットがあるのか?感覚を掴むためにご利用ください。
前提条件(共通)
- 元本:100万円
- 想定リターン:年利7%(複利)
- 暴落シナリオ:最終年に50%下落 → 同年末に完全リカバリー
- 分割投資:暴落後、株価が10%下がるごとに20万円ずつ5回で投資
暴落時の分割投資モデル
暴落後、株価が10%下がるごとに20万円ずつ5回で投資。回復時の評価額は以下のようになります。
100万円が約149万円になります。
暴落時の下落率 | 元の価格までリカバリ後の利益率 | 20万円投資後の評価額 |
–10% | +11.11% | ¥222,222 |
–20% | +25.00% | ¥250,000 |
–30% | +42.86% | ¥285,714 |
–40% | +66.67% | ¥333,333 |
–50% | +100.00% | ¥400,000 |
合計 | — | 約¥1,491,269 |
1. 5年運用シナリオ
1-Aさん. 一括投資(100万円×年7%複利×5年)
100万円 × (1.07)^5 ≒ ¥1,402,552
1-Bさん. 暴落後分割投資(最終年に50%下落→回復)
- 暴落前4年は現金保有(運用なし)
- 最終年に合計100万円を5回に分けて投資 → 回復率適用
最終評価額 ≒ ¥1,491,269
シナリオ | 評価額 | 差額(分割−一括) |
一括投資(7%×5年) | ¥1,402,552 | — |
分割投資(暴落後) | ¥1,491,269 | +¥88,717 |
5年で暴落が起きる“超レアケース”でも、差は約9万円にすぎない。
2. 10年運用シナリオ
2-Aさん. 一括投資(100万円×年7%複利×10年)
100万円 × (1.07)^10 ≒ ¥1,967,151
2-Bさん. 暴落後分割投資(最終年に50%下落→回復)
- 前9年は現金保有(運用なし)
- 最終年に分割投資 → 回復率適用
最終評価額 ≒ ¥1,491,269
シナリオ | 評価額 | 差額(分割−一括) |
一括投資(7%×10年) | ¥1,967,151 | — |
分割投資(暴落後) | ¥1,491,269 | –¥475,882 |
10年運用では、暴落を待ったことで約47万円の“機会損失”が発生。
考察:時間を味方につける重要性
- 5年…5年という短期間で暴落が発生する超レアケースでたった約9万円の上乗せ。
- 10年…長期複利の力が圧倒的で、待機して得られるリターンを大きく下回る。
- 結論:「暴落を待つ」戦略はリスク以上に大きな機会損失を生みかねない。
まとめ
- 暴落タイミングを当てるのは難しい
- 仮に当てられても、増額は限定的(5年:約9万円)
- 長期運用ほど「時間」が最大の味方になる
- 機会損失を避けるためには、今すぐ投資して複利を働かせることが最も合理的