暴落で、狼狽売りするのはおバカさんと言われても…
「銘柄変更しようとしても、実行を押す手がどうしても止まる」
「資産が減っていくのを見るのが怖くて証券会社のサイトにログインできない」
そんな自分を、ダメだと責めたくなることもあります。
「あのとき、売らなければ…」
「なぜ、落ち着いていられなかったんだろう…」
でも、まず言いたいのは、「それ、すごく普通の反応です」ということ。
人間は「損失」に対して非常に敏感にできています。心理学でも「損失回避性」という概念があります。たとえ同じ金額でも、「得をした嬉しさ」より「損をした悔しさ」のほうが2倍以上強く感じる──そんな傾向があるんです。
だから、暴落時に証券口座にログインするのが怖いのは当然。
値動きに耐えられず、ポジションを切りたくなるのも当たり前。
「手が動かない」のは、むしろ自分の理性が最後のブレーキをかけているのかもしれません。
では、どうやってその恐怖に向き合えばいいのか?
私自身、何度も心が折れかけました。
そして気づいたのは、「自分のマインドセットを整えること」が、投資スキルと同じくらい重要だということです。
ある年、私が経験した暴落の瞬間
ある年、保有していた銘柄が急落した日がありました。
SNSでインフルエンサーたちが暴落について話題にしているのを見聞きして、慌てて口座にログイン。
画面には、信じられないほど落ちているチャートが。
「このままだと、もっと減るかもしれない」
「いや、今こそ冷静になるべきじゃないか」
頭の中でいくつもの声が交差する中で、しばらく手が止まりました。
パニックになった私は、気づけば全資産を売却していました。
その判断が大きな損失を生む結果になることを、売り終わってからようやく実感しました。
その夜、深くため息をつきながら思いました。
「投資って、資産だけじゃなくて、心も試されるんだな」と。
どう向き合うか? 投資のマインドセット
あれから少しずつ、自分の感情と向き合うようになりました。
「怖い」と思うことそのものを否定しない。
むしろ、「なぜ怖いのか」「何が自分を不安にさせているのか」と、じっくり向き合うようにしています。
本やブログで同じような体験をしている人の声に触れたり、
“投資とは不確実性と共存することだ”と、少し大きな視点で捉え直したりもします。
そして、証券口座にログインできない日があっても、
「それも自分」と受け入れるようにしています。
人は完璧じゃない。けれど、感情を意識するだけでも少しずつ変われる。
どう向き合うか? 私が実践した3つの対策
では、どうやってその恐怖に向き合えばいいのか?
以下は、私が実際に取り入れて少しずつ効果を感じた対策です。
1. 「見ない勇気」も時には必要
暴落時に毎日ログインして値動きをチェックするのは、心のダメージを加速させるだけ。
長期投資なら、「今」いくらかより「10年後どうなってるか」のほうが大事。
“投資しない”ことがリスクになる時代だからこそ、放置する勇気を持ちましょう。
2. 自分だけじゃないと知る
SNSやブログで他の投資家の声を読むと、暴落時に同じように不安になっている人が山ほどいるとわかります。
孤独を感じるからこそ不安が増幅するので、「みんな同じ」と知るだけでも安心できます。
3. 資産の一部だけで実験する
「全額を突っ込む」と重みが違いすぎて、ちょっとの下落でも心が揺れます。
でも、資産の5%だけをリスク資産にして「下がったら実験として観察する」くらいの気持ちでやってみると、少しずつ耐性がついてきます。
投資は、数字の世界であると同時に「心のトレーニング」です。
一喜一憂しながらも、ちょっとずつ前に進んでいく。
その繰り返しの中で、自分なりの「投資との付き合い方」が見えてくるのかもしれません。
怖くて手が止まる日もある。
でも、そのたびにちょっとずつ、私たちは強くなっていけると信じています。
一緒に、マインドを育てていきましょう。
